合格発表当日

これは、平凡な学生だった僕が、
E判定から京大に合格するまでの経緯を
ストーリー調に振り返ったものです。

 

第12話「合格発表当日」

 

ついに、合格発表の日がやってきた。

ここまで来たら、大学まで行って、
直接発表を見に行こうかとも思っていた。

 

でも、その日は久々に熟睡してしまって、
気づけばもう間に合わない時間になっていた。

たぶん、「ネットでも見れるから」と、
安心していたのも一つの理由だろう。

 

合否の結果は、自宅から確認することにした。

 

 

 

とにかく、試験から発表までの、
この2週間はあまりにも長かった。

”ただ待ってるだけ”の状態が、
これほどまでにツライとは知らなかった。

 

それが今日、ようやく解放されるのだ。

そう思うと、心が踊った。

 

もちろん、落ちることへの不安はある。

でも、ここまで来れたのだから、
これからだって頑張ればなんとかなるだろう。

 

受験に失敗しても、
人生が終わってしまうわけじゃないのだ。

 

失敗したら、またやり直せばいい。

そう思えるようになった。

 

だから、白黒ハッキリつけて、
はやく次のステップに進みたかった。

 

 

 

合格発表は、確か12時ちょうどだった。

 

めったに使わない、ガラケーのiモードから、
発表10分前には京都大学のページに移動した。

そして、12時ちょうどになったら、
ボタンを押して合格発表のページへ…。

 

 

 

「頼む!合格しててくれ!!」

 

………

 

……

 

 

…あれ?

 

発表ページが表示されない。

 

 

不合格の人は、合否の結果さえ
教えてもらえないのかと一瞬焦った。

 

でも、そうではなかった。

 

どうやらアクセスが集中して、
つながらないだけのようだった。

多分、そのまま5分くらい、
何度も読み込みを繰り返していたと思う。

 

 

すると、突然、

 

=====================

京都大学 工学部
物理工学科 合格者発表

受験番号

4001
4002
4005
………
……

=====================

 

というかんじで、
数字が縦に並んだページが表示された。
(内容は、あくまでうろ覚えだけど)

 

自分の番号は、
すでに受験票に穴が空くほど確認した。

ただ、見間違いがゼッタイにないように、
もう一度だけ自分の受験番号を見直した。

 

僕の受験番号は、”4067”だった。

 

一度、呼吸を整えてから、
僕は”4067″を探して下にスクロールしていった。

 

………

 

……

 

 

…あった!

 

”4067”があった!!

 

 

前後の番号はないけど、
ぼくの4067はちゃんと書いてある。

 

合格してる…。

 

受験票の数字を何回も見直したり、
合格発表のページを何度もリロードし直した。

けど、何度確認しても、
やっぱり合格しているのだ。

 

それがわかると、
ジワジワと嬉しさがこみ上げてきた。

 

そうだ、家族に報告しなきゃ!

 

 

ホントは部屋から飛び出して、
大声で叫びたいような気分だった。

 

でも、少し恥ずかしかったので、

カッコつけて
「合格してたよー」
という軽い感じで報告した。

 

 

すると、なぜか反応が薄い。

 

聞こえなかったのかな?
と思ってもう一回言ってみた。

 

「あのー、合格してたんだけど…。」

 

 

「ホントに!?よかったなあ!!」

 

家族はみんな驚いていた。

 

あとで話を聞くと、発表時間になっても
ぼくが何も言ってこないので、
不合格だったと勝手に解釈していたらしい。

(本当は、アクセスが殺到していたのと、
僕がムダに何度も確認していたので、
報告が遅くなっただけだった。)

 

 

 

それで、みんなホッとしたのか、
今まで見たことがないくらいに喜んでくれた。

 

きっと、僕が受験生というだけで、
相当なプレッシャーを与えていたのだと思う。

例えば、「風邪をうつさないように~」とか
「食事のバランスが~」といった具合に。

 

でも、しっかり結果を出せて、本当に良かった。

 

特に、普段は何も言わない父が、

「よう合格できたなあ」
「トンビが鷹を産むって、こういうことやなあ」

と、しきりに呟いていたのが可笑しかった。

 

僕も悪い気はしなかった。

 

 

 

…ただ、その後になって、
手放しで喜べない事態が起きてしまった。

 

ここまで一緒に勉強してきた、
友人のAが不合格になってしまったのだ。

 

 

合格したことで、僕は完全に浮かれていた。

それで、何も考えないままAに
「合格してたよ!!」
なんてメールを送ってしまったのだ。

 

Aが落ちたことは、彼からの返信で知った。

 

ぼくと一緒に頑張ってきたにも関わらず、
自分だけが落ちてしまったのだ。

だから、それはもうショックだったと思う。

 

 

僕は、どう声をかけていいかわからなかった。

 

結局、「次はゼッタイ受かるよ」という
ありきたりな言葉しか返せなかった気がする。

 

改めて、受験の厳しさを目の当たりにした。

 

ただ、僕でも合格できたのだ。

1年の準備期間があれば、
彼だって必ず合格するに違いない。

 

だから、Aが努力する分、
僕も一足先に大学での勉強を頑張ろう。

そんな気持ちになった。

 

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