模試で心が折れかける

これは、平凡な学生だった僕が、
E判定から京大に合格するまでの経緯を
ストーリー調に振り返ったものです。

 

第8話「模試で心が折れかける」

 

夏休みの後半になってから、京大実践模試を受けた。

 

オープンキャンパスのときと同様に、
その日も頑張ってなんとか早起きした。

途中で友人のAと合流し、
試験会場である大阪中心部の予備校へ向かった。

 

会場に到着して、その大きさに驚いた。

地元の小さな塾しか知らない自分にとって、
10階ほどもあるビルが、
まるごと予備校になっているのは新鮮だった。

 

中には、教室や自習室がたくさんあるし、
エレベーターも複数設置されていた。

学校よりも、勉強に特化した施設…

そんな印象を受けた。

 

指定された席についてから、
周りを見回してみると、

みんな緊張していることもあってか、とても静かだった。

 

まるで、病院に来たみたいだなと思った。

 

 

そんなことを考えるているうちに、
いよいよ試験開始時刻が近づいてきた。

その頃の僕は、京大の過去問を
本格的に解いたことはなかった。

 

強いて言うなら、本屋で買った赤本を
家でパラパラめくって確認した程度だった。

模試を受けるにあたっても、普段の勉強しかしてこなかった。

 

そのせいもあって、初めての京大模試で、
完全に撃沈してしまった…。

参考までに、試験を受けたときの感想を
科目別に簡単に書いておこう。

 

 

====== 英語======

 

知らない単語ばっかりで、
何が書いてあるのかサッパリわからなかった。

それでも、なんとか最後まで目を通した。

 

大量の英文を読みすすめるだけでも、
脳にダメージを受けたような気分になった。

英文和訳も、和文英訳も、
結局どちらも雰囲気で空欄を埋めた。

 

====== 数学======

 

京大の数学は、
大問が6つだけの構成になっている。

だから、解けそうな問題にだけ、
じっくり時間を使おう。

分からない問題は、捨てたって構わない。

そんな作戦を練っていた。

 

しかし、いざ試験が始まると、
まったく想定外の事態が起きた。

 

第1問…。パス。

第2問……。これもパス。

………
……

…第6問もパス。

 

解けそうな問題が、一つもなかった。

 

もう一度、第1問から順番に
解けそうな問題を考えてみたけど、

あっちこっちと彷徨ううちに、
すぐに時間が過ぎていった。

 

結果、しっかり解けたのは、
最初の第1問だけだったと思う。

その他は、部分点ねらいで
ヤケクソになりながらも何かしら書いた。

 

====== 国語======

 

現代文は、英語と違って、
最後までスラスラ読めるし気が楽だった。

さすが、日本語で書かれているだけある。

 

ただ、読むのと解くのは、
全く別物であることを思い知らされた。

いざ解答する段になったら、
手がピタリと止まって動かないのだ。

 

それでも、何かは書かないと…。

無理やり空欄を埋めた。

 

小学生の頃、夏休みの読書感想文を
いつも半泣きになりながら
無理やり書いていたことを思い出した。

 

====== 理科======

 

工学部志望なので、
物理と化学の試験を受けた。

理科については、学校の授業の進行上、
習ってない範囲からの出題が多かった。

 

そして、なによりも、
すでに頭の使い過ぎでクタクタになっていた。

全部で9時間もの試験を受けているのだから無理もない。

本番なら2日間かけるところを、
1日で終わらせようとしているのだ。

 

机の方をずっと見つめてるので、
首と背中が痛かった。

目が掠れてきて、
頭もほとんど働かなかった。

 

 

そんな中で、気づけば試験が終わっていた。

 

 

初めての京大模試は、惨敗だった。

 

 

正直、試験が終わった時点で、
どんな結果が返ってくるかは予想できた。

ただ、あまりにも疲れていたので、
その日は何も考えず早く帰ることにした。

 

お腹は空いていたので、
駅構内の立ち食いそばで済ませた。

サラリーマンに混じって、無言で麺をすすった。

 

 

合格判定の結果は、予想通りの”E”判定だった。

合格可能性”20%”未満とハッキリ書かれていた。

 

「全般的に学力不足です。」

「基礎事項の徹底を図り奮起しましょう。」

「志望校についても慎重に検討しましょう。」

 

返却された成績には、そんな文字が並んでいた。

諦めなさい、と言われているように感じた。

 

 

正確には、採点結果が返却されたのは、
学校が始まってからだったと思う。

だから、多少話は前後するけれど、

そんなわけで、夏休みが終わる頃には、
僕はすっかり自信をなくしてしまった。

 

「やっぱり、自分に京大なんて
はじめから無謀な挑戦だったのかな…」

 

そう思うと、参考書を開いても、
手が止まって勉強が全く進まない。

夏休みの最後の方は、時間があるにも関わらず、
UPGRADEという英文法の参考書を
2,3ページほど音読するだけの日が続いた。

 

「浪人も出来ないし、
京大の受験は諦めてしまおうか…」

 

そんなことを自然と考えるようになっていた。

 

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