これは、平凡な学生だった僕が、
E判定から京大に合格するまでの経緯を
ストーリー調に振り返ったものです。
第5話「同志との意外な出会い」
京都大学を受験すると決意してから、
進路を決める三者面談があった。
担任からは意外にも、
「やるだけやってみろ」という
ありがたい言葉をもらうことができた。
自分もその言葉に勢い良く、
「頑張ります!」と返答したものの
今後、どうするべきか悩んだ。
もちろん、京大を目指して、
勉強しなければいけないことは間違いない。
ただ、だからといって、
以前とやってることはほとんど変わらなかった。
毎日、学校で授業を受け、
放課後になったら家に帰って、
配布された問題集を自分なりに進めていく。
「これであってるのかなあ?」
かなり不安だった。
自分が正しい方向に進めていない気がして、
何度も手が止まることがあった。
ちゃんと勉強できているかは、
もちろん結果を見ないとわからない。
ただ、自分の場合、
受験を意識し始めたのが高3からだった。
京大を目指し始めたのも、
同じく高3になってからだった。
つまり、どう考えても自分は遅れてるのだ。
だからこそ、
「何か遅れを挽回できる方法があれば」
なんてことをぼんやり考えていた。
それで、まず最初に思いついたのが、
塾か予備校に通うことだった。
高3になって同級生の中にも、
塾に通い始める人が多くなった。
そういう時期だからか、生徒募集のため、
無料体験授業をしているところも多かった。
だから、そこへ見学に行ってみようと思った。
進学塾では、どんな授業が行われていて、
生徒がどんな勉強をしているのか?
自分がそこに入るかどうかは別にして、
とにかくそれが知りたかった。
それを知った上で気に入ったら、
入ってみるのもアリかなと考えた。
さっそくある日の学校帰り、
駅を挟んで反対側にある某予備校に行ってみた。
かなり緊張したと思う。
何度も引き返そうかと考えた。
ただ「頑張ります!」といった以上、
やれるだけのことはやらないと…。
そう自分に言い聞かせて、
なんとか受付のところまでたどり着いた。
そうして申し込みをしてると、
途中で同じクラスの人が入ってきた。
彼のことを仮にAくんとしよう。
Aのことは、高3になってから
クラス替えをして初めて知った。
言うまでもなく、僕は内向的な人間だった。
誰かに自分から話かけて
仲良くなるようなタイプじゃなかった。
なので、Aとも顔見知りという程度の仲だった。
どうやら、Aも僕と同じ目的で来たらしい。
とりあえず、そのときは軽く挨拶だけした。
そして、受付が済んだ後、
ぼくは一足先に授業を受けてみた。
…それで、実際に体験して思ったことは、
「本質的には学校の授業と変わらない」
ということだった。
確かに、プロの人が教えているだけあってか、
授業の質は高いし難しいこともわかりやすく学べた。
ただ、学校で授業を受けた後に、
もう一度授業を受ける必要性は感じなかった。
それに、自分に不足しているのは、
問題が解けるようになるための演習時間なのだ。
だから、放課後は今まで通り
自宅で問題演習に集中しようと思った。
もしかしたら、いまの勉強だって、
ちゃんとやれば結果がでるんじゃないか。
それに気づけただけでも、かなりの収穫だった。
やっぱり、行動すれば何かしら得られるものがあるのだ。
とにかく、せっかくの無料体験ということで、
1週間ほどの授業期間があったのだけど、
自分は2日間受けて、
3日目には帰って家で勉強することにした。
わざわざ自分の会員証みたいなものも
ラミネート加工で作ってもらった。
でも、それも、もう必要ないと思って捨てた。
ただ、その二日後くらいに、
さっそく塾側から連絡が来た。
「京大目指すなら、今のままじゃ…」と
やんわり忠告を受けた。
学校でも、
「国公立を目指すなら、学校だけじゃ厳しい」
なんて言ってくる同級生がいた。
「でも、合格体験記には、
自宅浪人で合格してる人がいたし…。」
「あれ、でもその人も、
現役のときは塾に通ってたのかな?」
言い訳するようにそんなことを考えてたら、
次第に不安になってきた。
そんなとき、ふとAのことを思い出した。
同じ体験授業を受けた人として、
彼の感想が気になった。
だから、珍しく自分からAに声をかけてみた。
すると、
「おれも必要ないと思って途中でやめた」
という返答が…!
自分だけじゃなかったのだ。
なんだか仲間がいてホッとした。
詳しく話を聞くと、
Aも自分と同じ京大工学部志望らしい。
そして、僕と同じことを考えて
塾の体験授業を受けにいった。
だけど、僕と同じ理由で、
自分には塾は必要ないと判断し、
2日目にはもう行かなくなったらしい…。
それから、僕とAは、
よく受験勉強の話をするようになった。
同じ志望校で、同じ意見を持つ者どうし、
自然と意気投合した。
いろいろと話し合った結果、
僕とAの方針は次のようなかんじで一致した。
現役生は時間が足りない。
だから、普段から授業に集中して、
なるべくその場で頭に入れること。
そして、放課後は問題演習に時間をかけること。
…この方針自体は、以前と大して変わらない。
でも、賛同してもらえる仲間がいるだけで
以前よりもかなり心強かった。
迷いとか不安のせいで
勉強中に手が止まることはなくなった。
あとは、ひたすら前進していくだけだった。
・はじめに「E判定からの逆転合格ストーリー」
・第1話「忘れられないパス」
・第2話「ガラスのせいで授業ができない」
・第3話「衝撃を受けた合格体験記」
・第4話「数字の弱点見つけたり」
・第5話「同志との意外な出会い」
・第6話「世の中の間違った常識」
・第7話「人生最悪の夏休み」
・第8話「模試で心が折れかける」
・第9話「逆転合格の兆し」
・第10話「いざ二次試験へ」
・第11話「失敗しても、やり直せばいい」
・第12話「合格発表当日」
・第13話「キョウダイって、どんな漢字?」
・第14話「合格後の新しい世界」
・第15話「合格から成功体験を積んでいく」
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