これは、平凡な学生だった僕が、
E判定から京大に合格するまでの経緯を
ストーリー調に振り返ったものです。
第2話「ガラスのせいで授業ができない」
高1・高2と怠惰な毎日を送ってきたけれど、
高3になって進路を考えないといけなくなった。
高3になって、なんとなく、
クラスでも受験の話が増えてきた。
何事も消極的な僕だったけれど、
大学受験ともなれば、
他人事にはしておけなかった。
なにせ卒業後の4年間に、
ひいてはその後の人生に関わることである。
間違っても、テキトーに済ませられなかった。
受験について、当時の僕が考えていたことは、
「どうせ通うのであれば、
可能な限り上のランクの大学に行きたい」
ということだった。
(まあ、当然のことかもしれないけれど)
何故かと言うと、
中学生のときのような思いは二度としたくない、
という気持ちがあったからだ。
中学時代、僕は学校というものに対して
ずっと不満を感じていた。
学校の意義をずっと見出せずにいた。
例えば、こんなことがあった。
ある朝、通学すると、
珍しく校門のところに先生が立っていて、
教室ではなく”図書室”に行くように言われた。
全く理解できなかったのだけれど、
図書室へ向かう途中、
教室の方を見てすぐに理由がわかった。
教室2つ分の窓ガラスが、すべて割られていた。
つまり、教室はガラス片で一杯だから、
図書室で急遽授業をしようということだった。
その事件は、その日のうちに通報されたと思う。
とにかく一日中、学校が騒がしかった。
そして、肝心の授業も、
ほとんど自習で一日が終わった。
あとで聞くところによれば、
卒業生が夜中に学校へ忍び込んで石を投げた
…とかいうことらしい。
つまり、学校全体が荒れていたのだ。
決して大阪で一番悪いとか、
そんなことはなかったけれど、
不良が妨害して授業が進まない、
なんてことはよくあった。
学校へ行くのが苦痛だった。
僕自身、いじめられたとか、
何か直接的な被害を受けたわけじゃなかった。
でも、そんなふうに授業が進まない間も、
ただひたすら椅子に座って
無意味な時間を過ごすのがツラかった。
そして、そんな学校だったからか、
授業よりも生活指導に力が入ってたように思う。
それについては、どうやら、
先生側にも自覚があるようだった。
あるとき、中3時の三者面談で、
「塾でしっかり勉強するように」
と言われたことがあった。
「塾でしっかり勉強するように」
…じゃあ、学校はなんのために存在してるの?
直接、そう聞いてみたかった。
そんな勇気はなかったけれど。
別に、自分は勉強が好きだったわけじゃない。
ただ、自分の時間を拘束されてまで、
学校へ通っている以上、
そうする正当な理由がほしかった。
でも、学校では相変わらず、
生徒が騒いで先生が怒鳴り散らしている。
その間、僕らはただ机に座らされ続けるだけ。
学校へ行く意味がわからなかった。
正直、学校に行きたくなかった。
もう二度とそんな気持ちになりたくない。
もっといい環境に身を置きたい。
もっといい学校に行きたい。
そんな思いがあったからこそ、
高校受験では頑張って勉強した。
結局、第一志望には受からなかった。
でも、そんな願いが通じたのか、
高校生になるとスゴイことが起きた。
授業中、みんな静かなのである。
みんな授業に集中して、
私語を話す人なんて一人もいなくなった。
勝手に席を立つ人もいなくなった。
遊戯王カードを投げて遊ぶやつもいなくなった。
窓ガラスが割れることもなくなった。
これには、ホントに驚いた。
この新しい環境に慣れるまで、
入学して一ヶ月はかかったかもしれない。
学校が変わるだけで、
こんなにも違うものなのか…
心の底から感心した。
とにかく、そんな経験があったから、
なるべくレベルの高い大学に行きたいと思った。
高校でさえ、こんな変化があるのだから、
大学はもっとすごい変化があるかも…。
そんなわけで、
当時の僕でも受験勉強については、
自然と頑張ろうという気持ちになれた。
…ただ、この時点では、
京大を目指そうなんて考えてもいなかった。
京都大学に合格する人なんて、
自分とは全く関係のない、
まるで異国の人のようなイメージがあった。
まあ、それが合格してしまったのだから、
世の中おもしろいなーと思うのだけれど。
でも、まだその時点の僕は、
京大を受験するなんて全く考えていなかった。
ある事件が起こるまでは。
・はじめに「E判定からの逆転合格ストーリー」
・第1話「忘れられないパス」
・第2話「ガラスのせいで授業ができない」
・第3話「衝撃を受けた合格体験記」
・第4話「数字の弱点見つけたり」
・第5話「同志との意外な出会い」
・第6話「世の中の間違った常識」
・第7話「人生最悪の夏休み」
・第8話「模試で心が折れかける」
・第9話「逆転合格の兆し」
・第10話「いざ二次試験へ」
・第11話「失敗しても、やり直せばいい」
・第12話「合格発表当日」
・第13話「キョウダイって、どんな漢字?」
・第14話「合格後の新しい世界」
・第15話「合格から成功体験を積んでいく」
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