前回の記事の続きです。
まだ読んでいない方は、↓こちらをお読みください^^
前回の簡単な復習をすると、例えば、
- 「試験本番までの勉強計画をどう立てたらいいですか?」
- 「いま、どの科目を優先して勉強したらいいかわかりません」
- 「数学が苦手なんですが、どうすれば得意になれますか?」
…という悩みについて、誰にも答えられない理由は何なのか?ということでした。
ちなみに、こんな回答をくれた方がいました。
今回のクイズは、難しいですね。
悩みを解決する方法を知っても、実行する人があまりいないから
もしくは、自分にとって都合のいい事しかやらないからだと思います。
僕が用意していた解答とは違いますが、これも確かに正解だなと思いました。
「こうすれば絶対うまくいく!」という方法を知っていても、相手に納得させて実行させなければ意味がありませんからね。
これは、全国の先生や親御さんの共通の悩みだと思います。
でも、今回で僕が言いたいのは、
「指示したことを全部実行する」という前提があっても、答えられない理由です。
誰にも答えられない理由とは?
シンプルに解答すると、一つは、
① その人によって答えが全く変わってくるから
なんですが、まだこれはなんとかなります。
でも、もっと致命的でどうしようもない理由が、
②その後に起きる問題によって答えが変化しつづけていくから
ということです。
なので、①が分かったら部分点、②まで答えられたら満点というかんじですね。
ちょっとこれだけだと難しいと思うので、具体的に解説していきましょう。
想定外の問題は必ず起きる
例えば、
「試験本番までの計画を具体的に立ててもらえませんか?」
という質問に答えようと思ったら、
その人が、
- どの学校を目指していて、
- いまどんな成績で、
- これまでどんな勉強をしてきたのか、
などを詳しく聞く必要がありますよね。
これはつまり、”① その人によって答えが全く変わってくるから”に当たる部分です。
確かに文面だけの相談だと難しいでしょうが、
それだけなら、直接電話で話して詳しく時間をかければまだ不可能ではありません。
しかし、仮に時間をかけて詳しく話を聞き、適切なアドバイスをしたとしても、
その後になって、
- 分からない部分が出てきて思うように勉強が進まなくなったり、
- 予定外の用事(行事や補修など)で学習時間が取れなくなったり、
- 最悪の場合は、行きたい志望校が変わったり、
こういった想定外の問題が起きることはフツーにありえます。
…となると、その場その場でベストな計画は変わってきますよね?
だから、その人のことを詳しく知って、”いま”最適な計画を提示しても、
その後に起きた問題に応じて、計画を修正し続けていかなければいけないわけです。
つまり、これこそが、
”②その後に起きる問題によって答えが変化しつづけていくから”
という答えの意味なんです。
最適なアドバイスも状況の変化に応じて無限に変化する
同様に、
「いま、どの科目を優先して勉強したらいいかわかりません」
という悩みについては、成績の伸び具合で優先する科目を常に変化させ続けなければいけませんし、
「数学が苦手なんですが、どうすれば得意になれますか?」
という悩みについては、アドバイスによって”いま”苦手な部分が潰せたとしても、
”その先で”新しく弱点が生まれたときは、また別の対策を取らなければいけません。
つまり、その人にとって最適な勉強法というものは、
その人の過去(これまでの勉強)と未来(これから起きる変化)に合わせて無限に変化していくのです。
僕が指導させていただく際は、定期的なやり取りをすることで軌道修正を繰り返し、この変化に対応しています。
でも、勉強というのは、その時その瞬間でやるべきことが変化していくものですよね。
- 思った以上に、学んだことを忘れていたり、
- 突然の課題をこなさなければいけなくなったり、
- なんとなく気分が乗らず勉強できなくなったり…。
こういう問題が、1日・1時間の単位で起きるわけです。
そんなとき、僕が毎日24時間つきっきり状態なら、その場その場で的確なアドバイスができるでしょう。
でも、そんなことは現実的に考えて無理な話です。
…ということは、(細かい部分では)自分なりに状況を判断して、自分で最適な勉強法を見つけ出していくしかないわけです。
(こう書くと、なんの対策もないみたいに聞こえるかもですが、ちゃんと用意しているので安心してください^^;)
魔法の杖は存在しない
これが、誰もが簡単に成績をあげられる勉強法が存在しない理由です。
どれだけ優れた勉強法を見つけたとしても、そのままじゃ使い物になりません。
自分に当てはめる工夫が必要になってくるのです。
ときどき、合格する”魔法の杖”を期待している人がいますが、残念ながらそんなものは存在しません…。
もし、そんなものがあったら、東大生でも京大生でも毎年大量生産できてしまいます^^;
…じゃあ、どうすればいいのか?
まずは、この問題をもう少し整理していきたいと思います。
数学でも複雑な式を整理すると答えが見えてきたりしますよね。
というわけで、続きます。