前回の記事の続きです。
まだの方は、こちらの記事をお読みください↓
前回の内容を簡単にまとめると、
自分に最適な勉強法は、基本となる原理・原則を押さえつつも、細かい部分は自分なりに作っていかなければいけない
ということでした。
じゃあ、それをどうやって作っていくのか?という話をしていきます。
仮説と検証をすばやく繰り返す
答えから先に伝えましょう。
自分の答えを作る方法とは、「仮説と検証をすばやく繰り返す」ことにあります。
念のため、言葉を簡単に説明すると、
・仮説とは、成績を上げるため自分に足りない要素を正しく分析すること
・検証とは、自分の立てた仮説が正しいのかを確かめること
です。
これだけ聞くと、「え、そんなの当たり前だろ…」と思うかもしれません。
断言します。全く当たり前のことじゃありません!
もし、正しく仮説を立てて、正しく検証できている人がいたら、
その人は受験勉強で悩むことなんてありえません。
やるべきことが全部見えるからです。
そして、実際に成績も伸びて合格できるからですね。
というわけで、勉強で一つでも悩みがあるのなら、
ぜひとも最後までしっかり読んでほしいです。
キャッチボールに例えて解説してみる
受験勉強だと、どうしても先入観が生まれてしまうので、
今回はキャッチボールを例に”仮説&検証”の考え方について解説したいと思います。
受験に当てはめた具体例は、次からまとめますね。
まず、ここに、キャッチボールの経験がない二人がいたとしましょう。
一人は、”仮説&検証”という考え方を知らないAくんです。
そしてもうひとりは、”仮説&検証”が得意なBくんです。
同じレベルからキャッチボールの練習を始めた二人ですが、
数日経つとAくんよりBくんの方が圧倒的に上達していたのです。
じゃあ、AくんとBくんはそれぞれ練習方法にどんな違いがあったのか?
ちょっと自分なりに考えてみてください。
簡単にでいいので、少し考えてみてから続きを読むと理解が深まります。
仮説&検証ができないAくんの方法
Aくんの考え:
「なんで上達しないんだろう?分析してみよう」
「上手な人と比べると、手首のスナップが効いていない気がする」
「ボールを投げる姿勢も悪い」
「それと飛んでくる軌道もよく分かってないし」
「よし!手首のスナップを意識して投げる練習をしてみよう」
「ボールを投げる姿勢も、正しい姿勢になるように集中して」
「飛んでくる軌道も、目線をボールから話さないようにしてみよう」
【追記】仮説の根拠がめちゃくちゃだし、検証もしていないからダメだと伝えたいんです!
これは上手な人と比べてるからダメという意味じゃないですよ!真似する・しないに関わらず仮説の立て方が間違ってるということです
特に、問題点の把握に、モレがあることがダメなポイントなんです!!
仮説&検証が得意なBくんの方法
Bくんの考え:
「キャッチボールという技術の構成要素は何だろうか?」
「そうか!投げる技術と受け取る技術の2つだ」←仮説を正しく立てている
「ということは、自分はどちらか片方に必ず苦手の原因があるはず」
「検証してみよう」
………
……
…
「自分はちゃんとボールを投げられるけど、受け取る部分に問題があるみたいだ」
「受け取る技術はどんな要素から成り立ってるかな?」
「きっと、①ボールの軌道を確認する②到達地点に移動する③グローブを身体の中心に持ってくる」←仮説を正しく立てている
「このうち、どこかに必ず出来ない原因があるはずだ」
「検証してみよう」
………
……
…
「自分はグローブを体の中心に持ってきてボールを受けていないことがわかった!」
「ということは、体の中心でボールを受ける練習を集中的にやってみよう!」
(※根拠のある仮説を立てて、検証している)
(※ここでいう根拠のある仮説とは、正しいかとは別の話です)
【追記】Aくんの仮説と必ず比べてみてください!
Bくんは、Aくんと違って問題点の把握にモレがなく、対策にダブリも生じていないところがすごいポイントなんです!!
二人の違い、理解できましたか?
…どうでしょう?
二人の違いを明確に理解できましたか?
僕は野球について素人です。
だから、野球部の方が見れば
「そんなんじゃ上達しないよ」
というふうに言われるかもしれません。
(というより、多分言われます^^;)
でも、仮説は「間違っているかもしれない」から仮説です。
間違っている可能性を含みつつも、検証しながら突き進むことで遥かに速く上達するんです。
その理由は、また別のところで話しますね。
だから、あえて受験じゃない、僕のよく知らないキャッチボールの例を出しました。
とにかく思考回路の部分を見てほしい、ということです。
AくんとBくんの明確な違い
Aくんは、自分の問題点だと思うことをとにかく場当たり的にこなしています。
全体から構成要素に分解して考えられていないこと・要素ごとに検証できていないことが問題なんです。
図示するとこんなイメージです。
上達するための仮説を正しく立てられていないので、対策と対策が重なってムダが生まれてますし、
きちんと検証しないので、原因・問題点の全体をしっかり捉えきれていません。
これではいくら練習しても、一向に上達しません。
それにたいして、Bくんは自分の問題点を丁寧に探り当てています。
図にするとこんなイメージです。
全体を要素に分解して、一つずつ検証しているところが要点ですね。
上達するための仮説を正しく立てているので、対策を一つにまとめて集中させていますし、
検証をきちんとしているので、原因・問題点の全体をしっかり捉えることができています。
この方法なら、最小限の努力で最大限の結果を生み出せます。
(ちなみに、「それでホントに結果出るの?」と思った方は、こちらの記事を読んでみてください。
ちびっこを30分で自転車に乗れるようにする自転車スクールの話ですが、全く同じ考え方で指導しています。)
仮説&検証の考え方で、受験勉強は劇的に変わる
さて、重要な概念のために、話が長くなってしまいました。
今回はキャッチボールの例で解説しましたが、
これを”英語”とか”二次関数”とかに置き換えれば、同じ考え方が受験でもそのまま使えます。
僕が見てきた限り、成績が伸びない原因の大半が、
この”仮説&検証”の考え方を知らないことにあります。
知ってたとしても、
「原因を自分なりに分析しつつ、工夫して勉強すればいいんだよね」
というレベルの理解で止まっている状態です。
そのレベルの理解なら、Aくんでも出来てましたよね^^;
でも、これは学校で教わらないことなので仕方ないです。
僕自身、学校の先生から教わったことではないですし。
それで次は、この仮説&検証の考え方を受験勉強に当てはめた話をします。
そして、僕がそれをどうやって使っていたかの具体例も伝える予定なので、必ず読むようにしてくださいね。
続きます。