以前、メルマガの方で自学自習の重要性について書いた文章を一部掲載します。
「基礎固めはバッチリです」←本当に?
僕は、受験勉強の難しさの本質は、 頭脳労働という性質にあると思っています。
頭脳労働とは、簡単に説明すると、
「労働(勉強)量」≠「成績の伸び」という世界のことです。
例えば、僕のもとには、
塾にも通って毎日何時間も勉強しているのに、
全く成績が伸びないという人のメールがたくさん来ます。
でも、その一方で、授業中はいつも寝ているけれど、
テストになった途端に高得点を叩き出すという人だっています。
こんな(一見すると)不公平なことが起きるのも、
すべて受験勉強が頭脳労働である、という性質にあるのです。
というのも「頭の中で何を考えているか?」なんて、
外から見ている限りではわからないですよね。
だから、先生も注意のしようがないのです。
生徒のために勉強させようと思っていても、
正しく脳を働かせて勉強しているか?なんて確認出来ませんから。
これが、肉体労働なら全く別です。
肉体労働というのは、
「労働量」=「成果」が成り立つ労働のことです。
例えば、ロボットの部品を組み立てる作業であれば、
働くほどにたくさんのロボットを組み立てられるので、
「労働量」=「成果」が成り立ちますよね。
だから、サボっていれば指導することが出来るし、
ちゃんと労働する限り結果がついてくるようになっています。
でも、残念なことに受験勉強は頭脳労働なのです。
だから、本人が真面目にやっているつもりでも、
全く成績が伸びないというのはフツーにありえることなのです。
受験勉強で、より具体的な例を挙げましょう。
あるとき、僕にこんな相談をくれた方がいました↓
基礎固めはバッチリなのですが、成績が伸びません。
もっと難しい問題集をやらないと、
京大どころか他の旧帝大の問題すら解けないと思います。市販の参考書で京大に合格できるわけ無いですよね?
他大学の問題をどれだけ解いたか教えてください!
…二次試験が難しい気持ちはよく分かるのですが、
京大に合格するために、わざわざ他大学の過去問をやる必要はありません。
彼は「基礎はバッチリです!」と自信満々に言うものの、
なんとなく会話が噛み合わないので、僕は心配になりました。
そこで、普段とは別の基礎レベルの参考書から、
確認のために、いくつか問題を出してみました。
すると、これが全く解けないのです…。
繰り返しますが、別に難しい問題を出したわけじゃありません。
参考書を変えて、簡単な確認をしただけです。
つまり、これだと、彼は内容を理解して勉強しているのではなく、
使っている参考書の解答をただ暗記していたにすぎません。
もし、そのままの方法で勉強を続けていたら、
結果的にはペンを持ってノートに文字を移すという肉体労働を
ひたすら1年間繰り返していたのと変わりありません。
これじゃあ、受験で無駄死にするために、
一年という貴重な時間・体力を使ってしまうようなものですよね。
続きます。