以前、こんなクイズ↓を出していたのですが、
問題だけ出しっぱなしにして、解答がまだだったので、
今回はみなさんからいただいた解答とともに、クイズの答えについて解説していきます!
あ、ちなみに、「僕が用意していた答え」なので注意です。
みなさん、いろいろ解答してくださいましたが、
「正解が一つだけしかない」なんてことはなくて、
それぞれの解答がそれぞれで正解だと思うので、そこだけ勘違いのないようにお願いします!
動画版はこちら
クイズ内容の復習
まずは、正解の前にクイズの内容について簡単に復習しておきますね。
この前、「それ面白いクイズだな!」ってのがあったので共有します!
あなたの目の前にボール(球)が2つあります。
片方は純金製で、
もう片方はアルミ製です。(まあ、具体的な素材は忘れたのですけど、
片方が重くて、もう片方が軽い金属だったらなんでもいいので適当に決めました^^;)
でも、このボールは、
どっちがどの素材か分かりません。色も形も大きさも同じで、
ボールの質量も重心も全く同じです。
「いや、密度が違うのに、
大きさも質量も一緒なわけないだろ」って思うかもしれませんが、
要するに、純金製の方は中が空洞になっていて、
アルミ製は中までズッシリ詰まってるってことです。そしたら、大きさも質量も一緒に出来ますよね。
色が同じなのは、外から塗装でもしたと考えれば妥当でしょう。
…さて、ここから本題ですが、
あなたは、この2つのボールについて、
どっちがどの素材なのか特定できますか?どうやって特定すればいいか、
わかった人は回答してください~!
で、もしよかったら、僕の代わりに解説とかしちゃってもいいですよ。
そしたら、僕が楽できるな~とか思ったり…っていうのは冗談です笑
とにかく回答お待ちしてます~^^
さて、こんなクイズだったわけですが、自分なりの答えは出たでしょうか?
よかったら、もう一度自分なりに考えてみてください^^
それでは、僕が用意していた答えから発表していきますね。
クイズの答えとその解説
僕が用意していた答えとしては、
シンプルに「転がす」「回転させる」というものです。
なぜ、それで見分けがつくのか?
例えば、フィギュアスケートを思い浮かべてもらえるとわかりやすいのですが、
スケート選手が回転するとき、
・手足を広げると回転速度が遅くなって、
・手足をすぼめると回転速度が速くなる
というふうに、
回転軸からの手足の位置によって、回転速度が変化するんですよね。
ちょっと、わかりやすさのために、動画を引用させてもらいます↓
なんでそうなるのか?というと、回転半径が大きいと、一周させるのに必要な長さ(円周)も大きくなるので、
同じ時間に同じ物体を一周させることを考えたとき、より大きなエネルギーが必要になるわけです。
つまり、同じエネルギーを掛けるにしても、
回転軸から遠いほど、回転させるのが大変なわけですよね。
さて、球を回転させるとき、球の回転軸は中心になるわけですが、
・金製の方は中が空洞で、軸から遠くに回転させる物体があります
(スケート選手が手足を広げて回転している状態)
・それに対してアルミ製の方は、中心まで詰まっています
(スケート選手が手足をすぼめて回転している状態)
…というわけで、回転しづらく、転がしても遅いほうが金製で、
回転させやすく、転がして速いほうがアルミ製ということです!
ざっくりした説明になりましたが理解できましたでしょうか?
みんなの解答
みなさん、いろいろと解答してもらったので、ここで共有しておきますね。
ゆうぽんさん、こんにちは
クイズの答えですが、私には難しかったので家族に聞いてみたところ
①ボールを回してみる
②もし軽い方がアルミならば塩酸をかけたら溶ける
③坂を転がす。詰まっている方が早い。
正解はありますか?
また答えを教えてくださいね。
今日は、大阪桐蔭高校と地元済美高校の試合があり、私は手に汗を
握って応援しています。
田中
ゆうぽんさん
いつもメルマガ楽しく読ませていただいております。
2つのボール、やってはいけない条件が特になく、
何をしてもいいのなら、
割ってみます。どっちかが必ずアルミでどっちかが必ずゴールドなら、
見た目で色が違うんで割ったらすぐにわかるので。
非破壊検査が条件なら、、
母校の研究室のX線回折装置にかけます。
条件がほとんど無いので、他にも色々可能だとは思いますが。。
電気伝導度、電気抵抗を計る、
ゴールド買い取りセンターに持ち込んで、どっちを幾らで買取ってくれくかを聞いて、高い方がゴールド。
ただし、この方法だと、自分で調べてないから、店が判断を間違う可能性を否定出来ないので、自分の責任での判断にならないため、取りたくは無い手段ですが。
あとは、かじってみて、アルミに味がしたらアルミ、ほとんどイオンにならないために味がほとんどしない方がゴールド。
電線で繋いで、硫酸につけて、電池を作り、イオン化傾向の差から電流の流れる方向を探り、イオン化傾向の大きい方がアルミ。
などなどですね。
回答、オチを楽しみにしています。
真田
水酸化ナトリウムに溶かす。(金は水酸化ナトリウムに溶けない)
叩いて、音が響くほうが金
臭素に浮かべる。って感じですかね?
原始的な方法:球を軽く落として、音の反響の仕方で判断する。
もう一手:水の中に入れ、塩を加えていき、どちらが先に浮かび上がるかで判断する。
苦手分野なので多分的外れです 笑
叩いて音の高さで空洞なのかそうでないのかを判断してから物質を判断するのは強引ですかね笑
もしくは、酸性の液体につけて溶けるかどうかで判断する
クイズの答えの予想ですが、アルミの方がイオン化傾向が大きいから水酸化ナトリウム水溶液をかけたらわかるかもしれないです。
Q=mcΔTの式に基づいて考えてみると、質量は同じですが比熱は物質によって異なるので、仮に0℃~20℃から加熱したとすると熱量の値が大きいほうが金で小さいほうがアルミニウムになるのではないかと思うのですがどうでしょうか?
いろいろ解答してもらって、面白かったです!
メッセージくれた方、ありがとうございました^^
[発展的な内容]回転に対応する物理量とは?
ここからは、”ちなみに”の話になります。
高校の物理で習う力学は、基本的に”質点”の運動を考えることになりますよね。
でも、実際の空間では、例えば”野球のボール”なんかは普通に運動するだけじゃなくて、
回転したり、あるいはバットに当たった瞬間に変形したり、いろいろと複雑な現象が起きているわけで、
ボールを質点として扱って計算するだけじゃ、現実とのズレが生じるんですよね。
そんなわけで、回転運動を考える必要が出てくるわけなんですが、
回転のスピードに合わせていちいち回転のエネルギーを考えるのは面倒くさい!
…というわけで、計算を便利にするために、
慣性モーメントという物理量(図でいう”I”という量)が定義されています。
この”慣性モーメント”というものは、普通の運動を考える際の”質量”に対応していて、
・質量”m”が「動かしづらさ」を表すのに対して、
・慣性モーメント”I”は「回転させづらさ」を表します。
こうやって回転に関する物理量を定義すると、
高校の範囲でやるような、運動量や運動エネルギーに対応させて、
回転の運動量(角運動量)や回転の運動エネルギーが簡単に計算できるようになって便利になりますよ~
…ということを大学に入って勉強したりしますので、
それを楽しみに受験勉強を頑張ってください笑
それでは以上になります!
ありがとうございました^^