先日、人工知能について面白いニュースがあったので、みなさんに紹介します。
後半では未来予測の話もしています。
知っておくだけで将来を考える材料にもなると思いますので、
ぜひとも読んでくださいね^^
東ロボくん、東大進学を断念
東京大の入試突破を目指してきた人工知能「東ロボくん」の開発チームは8日、合格を断念し、得意な数学などの記述式試験の成績を伸ばすための研究へ転換することを明らかにした。
国立情報学研究所の新井紀子教授は「高校生の8割より良い成績になったが、読解力に問題があり(東大合格に必要とされる)上位1%以上にはなれない」としている。
「東ロボくん」というのは、「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトのもと、
東京大学の入試に合格するために作られた人工知能プログラムのことです。
この東ロボくんですが、どのくらい賢いのかというと、
昨年の大手予備校のセンター試験模試で偏差値58の成績を収めています。
これは簡単に言うと、
「高校生の8割より成績がいい」ということになるそうです。
ちょっとびっくりですよね^^;
東ロボくんが問題を解く仕組み
で、気になるのが、
「どうやって東ロボくんが問題を解いているのか?」ですよね。
それについて、いい記事を見つけたので引用させてもらいます。
AIは、問題文の文字列からキーワードを抽出し、教科書や辞典などの膨大なデータベースを参照して、キーワードで答えを導こうとします。
問題文の意味は考えない……というより、意味内容までは理解できません。
たとえば「私は岡田と広島に行った」と「私は岡山と広島に行った」という文章を読んで、前者は岡田さんと広島に行ったということ、後者は一人で隣接する岡山と広島に行ったという意味だろう……と推測することは、AIには不可能です。
…ということだそうです。わかりましたか?^^;
これを僕なりの解釈で簡単に説明してみます。
例えば次のような整序英作文の問題があったとします。
次の単語を並べ替えて正しい英文を作りなさい。
「have/ pen/ a/ I」
この問題に対して東ロボくんはこう考えます。
「自分のデータベースにある英語辞書には、
”I have a dog.”という例文があるから、
答えは多分それに近い単語の並びである”I have a pen.”だろう」
こんなふうに東ロボくんは、教科書や辞書に書いてあることを
そのまま引っ張ってきて、それっぽい答えを作るわけです。
ただし、これは文章の意味とかを全く理解せずに、
人間でいうところの、カン(経験に由来する)だけで
問題を解いてるってことですよね。
つまり東ロボくんは読解力0なわけです^^;
…ということでセンター試験は突破できても、
2次試験の形式には対応できないということで、
東大は断念することになってしまったそうです。
でも、その方法で高校生の8割以上を超える成績を取れるんだから、
ある意味すごいですよね。
2045年問題:人工知能が人間を超える日
人工知能は東大生に勝てないのか?
今回、残念ながら東ロボくんは、
東大合格をあきらめるという結果になってしまいました。
この話を聞くと、
「やっぱり機械ごときは東大生に勝てないんだ」って
思う人がいるかもしれませんね。
確かに、今の時点ではそうかもしれません。
でも僕は、人工知能が東大の入試を突破できるようになる日は、そう遠くないと思っています。
なぜなら、
指数関数的といえるくらいの、ものすごい勢いで
人間の科学技術は進歩しているからです。
指数関数的な科学技術の進歩
例えば、
1969年に月面着陸したアポロ11号のコンピュータと比べて、
1983年に発売された任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)は、
処理速度は10倍、メモリは100倍も性能が上です。
(今の高校生はファミコンを知らないかもしれないので
写真を貼っておきます↓)
アポロ11号はアメリカが国家の威信をかけ、
人類が初めて月面に着陸するために、
持てる限りの技術を結集して作ったものです。
一方で、ファミコンはただの家庭用ゲーム機です。
それなのにファミコンのほうが100倍も性能が高いですよね^^;
これはつまり、たった10年でコンピュータが目覚ましいくらいに発達しているということです。
そして現在、皆さんが持っているだろうスマホは、
処理速度の目安になる駆動周波数だけを単純に比べても、
1000倍以上の性能差があるという…。
このように、科学技術の進歩は指数関数のように、
「最初はゆるやか・最後は急激に」の形で発展してきています。
(収穫加速の法則と呼ばれています)
では、このまま科学技術が発展し続ければ、どんなことが起こるのでしょうか?
なんと、最終的には、
「2045年になると人工知能が人間の能力を超えてしまう」
という予測がされています。
(詳しくは技術的特異点(Wikipedia))
2045年には人工知能が人間を超える?!
人工知能が人間を超えるというと、
SF的な冗談だと受け取る人もいるかもしれませんね。
でも、アメリカではこの問題について、
国家や企業を交えて真剣に議論・研究されているんです。
2045年といえば、今からだいたい30年後になります。
そこでよく考えてみてほしいのですが、
いま、僕たちが当たり前のように使っているインターネットだって、
30年前に予測できた人なんていなかったでしょう。
30年という長さで見れば、いま想像できないような話が
実現する可能性だって十分にあるのです。
それを考えれば近い将来、人工知能が、
頭がいい人たちの代表である東大生を追い越して、
人類の誰も太刀打ちできないような知能を持つという可能性も
決してあり得ない話ではないと思いませんか?
これからの時代で生き残っていくにはどうすればいいのか?
人工知能に仕事を奪われる時代
将来は、人間よりも頭のいい人工知能がたくさん出てくるわけですから、
今まで人間にしかできなかった仕事も、
これからはどんどん人工知能がこなすようになってきます。
つまりは、人間が人工知能に仕事を奪われるような時代が来る、ということです。
例えば、「レジ係」や「受付係」、
それに頭がいい人がやるイメージのある「銀行の融資担当者」なんかは、
10年以内になくなるのではないか、という調査も行われています。
オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」
もし、人工知能に仕事を奪われてしまったら、どうなるのでしょうか?
その人はロボットよりも安い賃金で働くわけにはいかないので、
当然、路頭に迷うはめになってしまいます。
少し想像しただけでも恐ろしくなってしまいますよね^^;
これからは、機械によって人間が追い出される光景を
目にする機会がどんどん増えていくだろうと思います。
実際、マクドナルドは無人注文パネルなんかを導入して、
一部の人件費を減らしたりしていますよね。
自己研鑽をしつづけることが重要
では、そんな時代の中、人工知能に仕事を奪われずに
生きていくためには、どうすればいいんでしょうか?
簡単に言えば、
「人間にしかできないこと」に集中することでしょう。
…だけど、それってあいまいでよくわかりませんよね^^;
今まで人間にしかできないと思われてたことが、
機械にとって代わられているから問題なわけですし。
だから結局は、自分自身で考えていくしかないんです。
でもそんな中で、確実に一つだけ言えることがあります。
それは「常に自己研鑽をし続けること」でしょう。
何らかの努力を怠らず、自分を常に磨き続けるということですね。
これを読んでくれている皆さんは、きっと受験生の方が大半だと思いますが、
受験が終わったら大学で遊びまくろうとか考えてませんか?
(まあ僕はそんな感じだったんですが^^;)
確かに、バブルの時代は、
大学に入ってろくに勉強もせずに遊びほうけていても、
一流企業に入れた学生がたくさんいたそうです。
でも、これからの時代はそう簡単にはいきません。
「大学に入れたから将来安泰だ」なんて思っていたら、
あっという間に社会の荒波に飲み込まれてしまいますよ。
だから、そうならないためにも、常に何かを学び続けてください。
もちろん学校の勉強以外でも構いません。
自分が夢中になれるものを見つけて、
どんどん突き進んでいってほしいと思います。
まとめ
・2045年ごろには人工知能が人間を超えた知能を持つ(という予測)
・人工知能が人間の仕事を奪い、社会に大きな変化が訪れる
・そんな時代を乗り越えるためには、常に自己研鑽を続ける必要がある
不安をあおるようなことばかり書いてしまいましたが、
未来にはいいこともたくさんあります。
だから決して絶望はしないでくださいね^^;
むしろ未来は明るいです。
そんなことが言える理由については、
またの機会に別記事で書きたいと思います。
PS.
今回紹介した「2045問題」に興味がある人は、
この本とか読んでみるといいと思います↓
2045年問題 (廣済堂新書)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00KVBTQC6/